翁川 花伊子(おいかわ けいこ)

こんにちは、相談室代表の翁川です。

 

私たちは、自分が生まれてくる家族を選べないにもかかわらず、その家族からの影響を長期に渡って受け続けます。家族は「あたたかい」「幸せ」なイメージがありますが、こうした「イメージ」に「現実」が縛られて不自由になっていませんか?

 

いま、日本の犯罪の5割が家族間で起こっています。児童虐待相談数、DV相談数、引きこもり相談数もますます増加しています。

 

私たちの悩みの多くが家族関係に起因することは、恥ずかしいことなどではなく、ごく当然のことだと思います。なぜなら、現代の私たちは、親密な関係性をどのように築いていくのか、維持していくのかを、学ぶ機会があまりにもなかったからです。

 

私たちが「こうだ」と思っている家族のあり方は、戦後に新しく生まれた「戦後近代核家族」です。これは決して、典型的なものでも常識的なものでもなく、むしろ、多くの人たちが戦後近代核家族のあり方と自分の生き方とが一致せず、あるいは、どこかが足りず、どこかが余分で、悩んできているのです。

 

大学勤務時代、私は虐待を受けて育った学生たちからの相談をよく受けていました。しかし当時の私は、話を聞くことはできても学生たちの人生をほんとうに支援できているのかと、いつも考えてきました。虐待を受けた子どもが親になってから自分の子どもを虐待するということを「虐待の連鎖」と呼びます。

 

担当していた講義の中で、「コミュニケーション様式を変えることで連鎖はおこらない」とお話したことを鮮明に覚えています。しかし、「どうしたらコミュニケーション様式を変えることができるのか」また「そのための関係性をどう構築したらよいのか」という点は、課題として残りました。

 

近年、ご自分の子どもが発達障害なのではないかと、ご心配されているお母さんもたくさんいらっしゃいます。大人たちは子どもが自分たち大人のつくった規律正しい枠から少しでもはみ出していると、レッテルを貼りたがっているようです。

 

しかし人間は、グラフに線を描くように、直線的に成長するものなのでしょうか? グラフの中に描けない、日々の細部にこそ、成長のための種が眠っているように思うのは、私だけではないはずです。

 

家族や組織の中で問題現象があると思える人のことを、IP(アイデンティファイド・ペイシェント)と呼びます。問題はほんとうにその子、その人にあるのでしょうか?それとも、自分にあるのでしょうか?どれも正しく、どれも間違いです。 

 

子育てのこと、家族関係のこと、そして、生きるということについて、「知ったかぶり」せずに「無知さを知る」ことによって、人生の豊かさへの道は開かれていくように思います。

 

「みんながしているように思える当たり前」は、実は、誰も説明することができないのです。どういうことかというと、「空気を読む必要はない」ということです。

 

「知らない」ことや「できない」ことは、恥ずかしいことでもなければ劣等性を示すものではないのです。むしろ、「自分には限界がある」と言えるのは成熟した大人であり、そこにこそ、本来の自分らしさと自我に根差された意志があるのです。

 

当相談室では、「心は関係の中で育まれる」という立場からの「関係」を大切にしたカウンセリング(現象学的関係療法)を最もおすすめしています。

 

野口整体をベースにしつつ医療グレードのアロマ精油などを取り入れた「体」への療法は、言葉化以前の療法として赤ちゃんや子どもにもたいへんおすすめです。

 

どちらもそれぞれが役割をもっており、ご自身のペースでそれぞれにご活用いただきたいと思っています。 

 

男性と女性をはじめとし、「対立」しか生まなかった時代から、「多様性・協働・連携」の時代が始まりつつあります。そのための心づくりや交渉術にも力を入れています。

 

2008年 名古屋大学大学院社会環境学専攻科社会学講座博士後期課程満了博士(社会学)/専門社会調査士/日本学術振興会特別研究員DC&PD・日本福祉大学・東京成徳大学講師、子ども子育て審議会委員、男女共同参画プラン推進会議委員などを経て、現職。『いのちとライフコースの社会学』弘文堂(共著)、『社会福祉士 速習レッスン』ユーキャン(共著)他、著書・論文・学会報告等。現在、雑誌『子どもとコミュニティ』を創作中。



成熟した生き方の深い味わいと自由

私が生まれたのは1970年代で、ちょうど、高度経済成長期が終わる頃でした。学生時代はバブルが崩壊した就職氷河期で、ロスト・ジェネレーション(失われた世代)と呼ばれました。

 

新自由主義が入ってきて、競争が激化し「格差」という言葉ができました。「既婚/未婚」「正規職/非正規職」で勝ち負けを競うような社会意識がメディアで流行したのもこの頃です。

 

誰もが、「失敗」を恐れるようになったのではないかと思います。一度の失敗が許されない、次のトライを応援されないのなら、それは人生をないがしろにしかねないように思います。

 

いま、必要なのは、子どもが何度も転びながら歩けるようになるように、「トライ&エラー」を応援してくれる関係性です。

 

私は長年、現象学的社会学を専門としてきたのですが、なぜが縁あって、女性の生き方や家族関係の支援活動・NPO活動にかかわってきました。

 

現象学的社会学を学ぼうと思ったきっかけは、自分自身の家族についての疑問を解きたかったからでした。

 

若い頃には「ひとりの女性」として自分自身の生き方に悩み、トライ&エラーの道のりでした。

 

失敗もたくさんしましたし、たくさんの傷も負いました。しかし、人生の中盤に入り、失敗や傷が錬金術のように変容することを体験しました。

 

そのプロセスはたやすいものではありませんでしたが、心の変容を応援してくれる安定した関係性があることがどれだけ力になるのかを深く知りました。

 

子育てと女性のための野口整体、現代日本人の心性に合った精神分析・発達心理学・関係療法などを、自分自身のテーマとともに学びました。

 

それらを経て、人間の心的変化の不思議さと大切さを改めて知り、現在に至っています。

 

「人生の正午」と呼ばれる中年期に、生活や仕事や家族関係などがこれまで通りに進まなくなることがあります。それは、人生の危機でもあり好機でもあるのです。

 

当相談室が、みなさまの人生の転換期をサポートできますことを、心から願っています。

 

あなたがご自身のことを大切にした人生を歩んでいけるよう、心から応援します。